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研究開発

研究開発・事業化の歴史


クラレ 環境ソリューション事業部の前身であるクラレケミカル株式会社は、二硫化炭素の生産販売からスタートし、1965年に活性炭事業を開始、順次そのウェイトを移してきました。

1987年に二硫化炭素の生産を中止してからは活性炭技術をコアとする活性炭事業、機能性活性炭事業、装置事業に特化してきました。

1997年には、岡山県備前市にある工場内に延べ面積1400㎡の鶴海研究開発棟が竣工しました。

鶴海研究開発棟では最新の設備を備えるとともに、市場と製造に直結した実践的な研究を行っております。

写真:鶴海研究開発センター 鶴海研究開発棟
写真:鶴海研究開発センターでの研究の様子

活性炭の可能性


活性炭とは石炭やヤシ殻などを原料として製造した多孔質の炭素で、微細な孔が無数に空いています。この孔の直径は0.1~50nmと、非常に微細で、この微細な孔の壁を表面積にすると、1gあたり500~2,500㎡もの面積になります。

活性炭はこの微細な孔により水や空気の浄化、化学物質の吸着・除去だけではなく、化学物質を回収、再利用したり、エネルギーを貯蔵することもできます。

環境に関する規制強化や関心の高まりを背景に、これまでにないほどの高度なニーズが寄せられるようになっています。

図:水処理、大気汚染防止、エネルギー

技術紹介


活性炭は様々な分野で利用されることから当研究開発部門では、多くの分析・測定装置を駆使し、活性炭の性能向上、新規商品開発のための基盤技術を作り上げております。

このような取り組みにより得られた成果として国内外で多数の特許を取得しています。

また、このような基盤技術だけでなくクラレグループの研究開発や外部機関と連携しながら市場が求める独創的な製品の提供に取り組んでいます。

水処理関連


  • トリハロメタンやカビ臭の原因物質、極微量混在する有機フッ素化合物(PFAS)などの有機物質、残留塩素だけでなく、鉛などの重金属、従来除去が難しかった金属イオン除去・回収に適した活性炭の開発をしております。
  • 活性炭の形態は、粉末状・粒状が一般的ですが、繊維状、フィルター形状等の、活性炭を開発しています。水処理分野では、たくさんの使用方法が要求されますが、各々の要求に対して、活性炭やその性質を生かした成型体の製造技術を開発しています。

大気汚染防止関連


  • 悪臭やダイオキシン除去、VOCの回収や空気清浄機用フィルターの開発を行っております。
  • 粒状、ぺレット状、シート状、ハニカム状の多彩な形状の活性炭を開発しています。最近は、閉鎖された空間での、空気の循環使用のニーズが高まっており、この分野への研究開発に取り組んでいます。

エネルギー関連


  • 電気二重層キャパシタ用活性炭の高性能化(高容量・高耐久・高電圧)に取り組んでいます。
  • キャパシタ用活性炭の開発を通じて得られた知見をもとに、新規ハードカーボンの開発に取り組み、事業化を推進しています。

様々な用途の提案


自動車用活性炭


各国で環境規制が高まる中、自動車にも各種の排出規制があり年々規制強化が進んでいます。特に北米では自動車からの燃料蒸散量規制が厳しいため、キャニスターシステムの高性能化が急務となっており、システムに用いられる活性炭の性能向上が求められています。

このような環境規制の流れの中で、各国の環境規制に対応すべく活性炭の開発を行っています。特に、北米規制であるLEVⅢに対応出来る活性炭の開発に注力しており、各ユーザー様との情報交換を基に、各ユーザー様に適した性能を持つ活性炭の調整やキャニスターシステムにおける最適な活性炭の組合せについても提案します。

図:キャニスター概念図

キャニスター概念図

クロラミンの除去


クロラミンは水道水の消毒に使用されています。クロラミンは、水源に含まれる有機化合物と反応してトリハロメタン類(発ガン性や催奇形性などの毒性有り)を生成せず、また、安定で長時間分解しない等の利点から、浄水場から末端消費者の給水栓までの距離が長い米国を中心に遊離塩素の代替として使用が高まっています。

しかし、非常に安定な物質のため、遊離塩素に比べ、活性炭による分解除去が困難でしたが、クラレは、活性炭の触媒分解性能を高めることにより、水道水中に残留する低濃度のクロラミンを効率良く分解除去できる活性炭を提供しています。

貴金属回収


従来の貴金属回収は金回収が主用途でしたが、金以外の貴金属についても活性炭を最適化し、極低濃度の貴金属を含む液中から効率良く回収できる技術を開発しています。

電気二重層キャパシタ用活性炭


電気二重層キャパシタは、一般的に知られている電池と比較して出力特性、寿命特性に優れており、各種メモリ-のバックアップ、自動車や列車などのパワーアシスト、ロードレベリング・ラッシュカレント・回生エネルギー、UPSなどの蓄電源用途などで実用化されています。クラレの活性炭は電気二重層キャパシタの電極部材として様々な用途で利用されております。

これまで蓄積された技術を基に電気二重層キャパシタ用活性炭の更なる高性能化(高容量・高耐久・高電圧・低抵抗化)に取り組んでいます。

通液型キャパシタ


活性炭は浄水場や浄水器、排水処理など水の浄化用途に広く利用されています。しかし、硝酸性窒素、鉛、フッ素等のイオン性物質は活性炭には吸着しにくいため、イオン性物質の除去は長年課題とされてきました。クラレではイオン性物質の除去の新たなアプローチとして通液型キャパシタに着目しました。

通液型キャパシタは電気二重層キャパシタの原理を応用したもので、正負極に配置された活性炭電極に電気エネルギーを供給することでプラス極にはマイナスイオンを、マイナス極にはプラスイオンを吸着し、イオン性物質を除去する技術です。吸着したイオン性物質の脱離も電気エネルギーにより行うことができるため、薬剤を使用せず安全です。

これまで水処理、電気二重層キャパシタ分野で蓄積された技術を基に通液型キャパシタの製品化に取り組んでいます。

図:通液型キャパシタ

通液型キャパシタ

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